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院長ブログ「しなくり日記」

健康のこと、日常のことなどを発信しています。

糖尿病と手の病気

2024/3/16
糖尿病と手の病気

糖尿病は高血糖が継続する状態であり、長期間にわたる高血糖は様々な合併症を引き起こします。 
その中に手の病気がありますが、ばね指や手根管症候群になりやすいことがわかっています。 

糖尿病でみられる代表的な手の病気には 

1 腱鞘炎やばね指 
指の運動は屈筋腱で曲げ、心筋腱で伸ばします。この屈筋腱は腱鞘の中を動いていますが、
腱鞘炎は何らかの理由で腱や腱鞘は腫れて、屈筋腱の通過障害が起こることです。
腱鞘炎が進行するとばね指になります。 
症状としては指が曲げにくい、指全体が腫れている、指の関節が痛い、指の曲げ伸ばしで引っかかるような感じがするなどがあります。 

2 手根管症候群 
手首から手にかけての部分に手根管と呼ばれる空間があります。この中に9本の屈筋腱と1本の正中神経という神経が走行しており、その上に横主根靱帯でふたをかぶせたようになっています。
屈筋腱は腫れたりして手根管内の圧が高まり、靱帯が堅くなったりしてうまく内圧を逃がせなくなると、正中神経に麻痺が起こります。 
正中神経は母指から薬指の半分までの領域の感覚をつかさどるため、まず小指以外の指がしびれてきます。 
次に夜間痛がでて、さらに症状が進むと母指の付け根の部分の筋肉が萎縮して母指が動かしにくくなります。 

3 手足の神経障害 
しびれ、ぴりぴりとした痛み、手の力の低下などの症状があります。 

 参考文献 さかえ11月号 平瀬雄一  
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糖尿病認定医に登録されました。

2024/1/18
このたび、糖尿病協会の糖尿病認定医に登録されました。

 2005年2月、日本医師会、日本糖尿病学会と日本糖尿病協会の三者が、増加する糖尿病の治療から予防まで一体となって取り組むことの重要性を認識し、日本糖尿病対策推進会議が設立され、協会は、その活動の一環として登録医・糖尿病認定医制度を整備しました。
 

糖尿病治療は、その発症年齢、生活状態、各種合併症の有無などにより様々であり、とくに多様化した社会環境において、患者の継続的な受療には治療と同じくらい療養指導が重要です。

療養指導を行うには指導医の標準化が急務であることから、まず日本糖尿病協会登録医として患者療養指導に研鑽をつみ、その後日本糖尿病協会糖尿病認定医としてチーム医療の実践や糖尿病対策推進の役割を担っていくこととなりました。
 

糖尿病患者並びに予備群の急増によるその対策は国家的課題でありますので、その一助になれるよう診療を行いたいと思います。 
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鉄と貧血

2023/10/20
体内の鉄の60-70%はヘモグロビン内に存在し、残りは貯蔵鉄として肝臓、脾臓、骨髄に貯蔵されています。

体内で鉄が不足すると貯蔵鉄から減少します。 
さらに減少すると赤血球が小さくなり、赤血球に含まれるヘモグロビンの濃度が低下します。
さらに減少すると赤血球の数やヘモグロビンが低下し、いわゆる貧血といわれます。

ヘモグロビンの数値が下がっていないから貧血でないということができず、貯蔵鉄や赤血球の大きさを調べることで貧血であるかわかります。
鉄不足であるか見極めためにMCHC(平均赤血球ヘモグロビン濃度)をみるのが有用で、低い場合は鉄欠乏性貧血とわかります。 

 鉄はATP産生に影響を与えますので、低下すると脳や運動機能に影響を与えます。 

 セロトニンやドーパミン、ノルアドレナリンなどの神経伝達物質の合成に鉄は不可欠なので不足により精神的に不安定になります。 

 通常、鉄は三価鉄で存在しますが、鉄剤などが胃の中に入ると胃酸の働きで、二価の鉄に変わります。
二価の鉄は活性酸素を発生しますので胃の粘膜に障害を与え、そのため、鉄剤を服用すると嘔気や胃痛が起こる人がいます。また、吸収率も低いです。 

 鉄剤を静脈注射をすると活性酸素が発生し、ひどい炎症をおこします。
また、内服であれば過剰な鉄は便として排出されますが、静脈注射では体外にでることなく、体内に貯留してしまいます。 

 ヘム鉄は二価鉄がタンパク質にくるまれたものです。レバーや赤みの肉や魚に多く含まれています。
タンパク質にくるまれているため、活性酸素を発生することなく、胃腸の障害も少ないです。

また、タンパク質の摂取量が少ないと、鉄の吸収が低いです。
卵や赤い肉を食べながら、鉄を摂取すると、鉄の吸収がよくなります。



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インフルエンザの予防接種

2023/10/12
佐賀県では、例年より早い時期となる7月末から県感染症発生動向調査における定点当たりの患者報告数が、流行の目安である1.00を超えた状態が続いており、さらに9月中旬には、注意報の目安である10を超えたことから「流行発生注意報」を発表しました。 

 予防接種を受けることで、発症予防もしくは重症化予防の効果が期待できます。 

 予防接種の効果は、接種の2~3週間後から約5か月間続くと言われています。接種を希望される場合は、早めに接種されてください。 

 接種回数の目安としては 

6か月〜12才 2回 接種間隔は2-4週間
13才以上 原則1回
となっています。 

 ワクチン接種は、多くの方々に、発症・重症化予防という効果をもたらす一方、予診を十分に行っていても、副反応や有害事象が起こることがあります。 

 よくある副反応 

1. 接種部位の腫れや痛みなど 
2. 発熱、寒気、頭痛、だるさなど 

 上記1、2のような症状が出ることがありますが、通常2~3日で治ります。 

 当院では現在インフルエンザの予防接種を行っています。
詳細はHPに記載していますので、そちらをご覧ください。 

*佐賀県HP 参照
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アルツハイマー病と糖尿病

2023/7/1
認知症とは脳の病気や障害など、様々な原因により、認知機能が低下し、日常生活全般に支障が出てくる状態と厚生労働省の定義ではなっています。

認知症にはその原因で大きく3つのタイプがあります。

①長い年月をかけて脳は変性していくアルツハイマー型認知症
②脳梗塞や脳出血などの疾患に付随して生じる血管性認知症
③脳内にレビー小体というタンパク質が蓄積して生じるレビー小体型認知症

なかでも最も多いのがアルツハイマー病型認知症、アルツハイマー病です。

アルツハイマー病の原因として現在わかっていることは、アミロイドβというタンパク質が脳に過剰に蓄積することで神経細胞が減少し、脳が萎縮するとことでアルツハイマー病を発症するとされています。
糖尿病があると動脈硬化が進み、心筋梗塞や脳梗塞など血管性疾患が増えます。
その他、腎症、網膜症、神経障害といった三大合併症を引き起こします。

糖尿病患者はがんの発症率は1.3倍に上昇します。
2型糖尿病患者は非糖尿病患者に比較して1.9倍もアルツハイマー病にかかりやすいという研究発表があります。
別の研究では食後血糖値が高い場合や糖尿病患者はアルツハイマー病にかかりやすいというのがわかっています。

膵臓のβ細胞が分泌されるインスリンというホルモンは血糖を下げる働きがあります。
2型糖尿病ではインスリンの分泌が低下、インスリンの抵抗性ということが起きて、血糖値が上昇します。
インスリン抵抗性があるとインスリンが通常より多く分泌されます。
インスリンが多いとき、インスリン分解酵素が余分なインスリンを分解処理します。この酵素はアミロイドβを分解する働きもあります。
インスリンが多量に存在するとインスリン分解酵素がそちらにたくさん使われ、アミロイドβを分解する働きが低下してしまい、脳にアミロイドβが沈着するようになり、アルツハイマー病のリスクを高めてしまうことになるといわれています。

タンパク質と糖が結びついて生成されるものにAGE(Advanced Glycation End productions) 日本語訳で終末糖化産物があります。
詳細は省きますが、アルツハイマー病の脳内に多量に蓄積していることがわかりました。
すなわち、脳に悪さをするAGEの蓄積を防ぐことはアルツハイマー病のリスクを低下させる一因であると考えられます。

AGEは老化促進物質でタンパク質があるところではどこでも結合して悪さをします。
ブドウ糖が普段から大量にある糖尿病の人はAGEが増えて、体内のいろいろなところで悪さを行います。白内障や皮膚のしみなどもその1つです。
また、アルツハイマー病もAGEが原因のひとつといわれています。
このようなことから、アルツハイマー病のリスクを下げるためには糖尿病のリスクを下げること、糖尿病にならない運動や食事などを行えばいいと考えられます。

参考文献:アルツハイマー病にならない習慣:牧田善二著
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