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結核、非定型抗酸菌症

結核について

結核とは?

明治時代から昭和20年代までの長い間、「国民病」「亡国病」と恐れられた結核も、国をあげて予防や治療に取り組み死亡率は往時の百分の一以下にまで激減しました。現在、日本の結核罹患率は2010年に人口10万人あたり18.2人で、10人以下となっている欧米先進国に比べまだまだ結核は多く、世界の中では依然「中まん延国」とされています。
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結核とは、「結核菌」という細菌が引き起こす「おでき」のようなものと考えてよいでしょう。最初は炎症から始まります。肺ならば肺炎のような症状です。炎症が進むと、組織がだめになって「化膿」に似た状態になります。

肺結核ではこの状態がかなり長く続き、X線写真などに写る影の大半がこの時期の病巣です。その後、だめになった組織がドロドロにとけて、咳やくしゃみと一緒に気管支を通って肺の外に出され、病巣は空洞になります。

空洞なので空気も肺からの栄養も十分にあり、結核菌には絶好のすみかとなって菌はどんどん増殖します。 ここから菌が肺の他の部分に飛び火したり、リンパや血液の流れに乗って他の臓器でも結核菌が悪さを始めたりすることもあります。

こうして結核は肺全体、全身に拡がって行きます。最後には肺の組織が破壊され呼吸困難や、他の臓器不全を起こして生命の危機を招くことになります。

結核は全身のいろいろなところに病気を作るのが特徴です。冒される臓器としてはリンパ節が最も多く、また骨や関節にもできます。背骨にできるのが「脊椎カリエス」です。

次に腎臓(腎結核)が多く見られます。腎結核は膀胱などを巻き込むこともよくあります。
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このほか結核は喉頭、腸、腹膜、また眼や耳、皮膚、生殖器にまで拡がることもあり、いちばん怖いのは脳にくる場合です。結核菌が血管を通って全身にばらまかれ、髄膜にたどり着き、そこに病巣を作ることによって起こります(結核性髄膜炎)。

今日では粟粒結核は早く発見すればかなり助かりますが、髄膜炎では適切な治療が遅れると、3分の1近くが命を落とし、治っても脳に重い後遺症の残ることがあります。

あらゆる時代の、あらゆる人をむしばんできた結核を、薬で退治することは人類の長い間の夢でした。1944年、ワックスマンが放線菌から作り出したストレプトマイシンはその劇的な効果で、まさに「魔法の弾丸」と呼ばれるにふさわしいものでした。

続いてパス(PAS)、イソニアジド(INH)などが登場し、「結核の治療は化学療法で」行うことが確立しました。以後も次々と開発され、現在「抗結核薬」として広く認められているものは10種類を越えます。結核菌はしぶとい菌なので、ある程度の期間、薬で叩かないとぶり返します。

また、その間に薬に慣れて抵抗性ができるので、2種類以上の薬を一緒に使うのが鉄則です。最新の方式はリファンピシン、イソニアジドという2種類を軸に最初4剤、続いて2~3剤を合計6カ月間使う、というのが主流です。

非定型抗酸菌症について

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従来非定型抗酸菌(ATM)症と呼ばれていた病気です。原因菌は結核菌と同じ抗酸菌の仲間で40種類程あり、まとめてNTM と呼ばれています。
日本では現在抗酸菌による病気の5 割が結核、残りの5 割がNTM 症となっています。

またNTM 症の80%はMAC症が、10%はkansasii症が占めています。主に肺に慢性の病気を作り、まれにリンパ節炎や全身感染症が生じる事もあります。菌は結核の仲間ですが、結核とは全く別の病気と考えてください。

肺NTM 症の症状では、咳・痰・血痰・発熱・食欲不振・体重減少・全身倦怠感などです。これらの症状は結核と全く同じです。

NTMは土・ほこり・水などの自然環境に広く存在しており、だれでも肺の中に吸い込んでいると考えられています。結核菌がヒトの体内でしか生存できず感染源が排菌陽性の患者に限られているのと違い、NTM 症の患者さんから菌が他人に感染する事はありません。

カンザシ症の場合は結核と同様の薬物治療を1 年から1 年半実施します。軽いマック症の場合、無理しない生活を心掛けるだけで薬剤を投与せずに経過観察することもあります。

マック症で症状が強いか進行が速い例では、薬物治療を1.5~2 年実施します。用いる薬剤は結核の治療薬と同じものと一部一般の抗菌薬も用います。
薬剤効果が弱く空洞などが限局している場合、外科手術を併用する場合もあります。

先にも述べたとおりカンサシ症以外のNTM 症に対する薬剤効果は弱く、完治できないのが現状です。慢性病として長く付き合う覚悟が大切です。
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