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痛風と高尿酸血症

尿酸とは「プリン体」という物質が体内で分解されてできる燃えカスです。
プリン体は運動したり臓器を動かしたりするためのエネルギー物質で、常に体内で作られています。
私たちの細胞には遺伝情報を伝える役割を持つ核酸という物質がありますが、核酸の構成成分もプリン体です。
古くなった細胞を分解する新陳代謝の過程でこの核酸からプリン体が出てきます。
プリン体は細胞の中にあるものですから、動物・植物いずれの食品からも体内に入ります。
これらのプリン体は主に肝臓で分解され尿酸となり、尿や便として排泄されます。

1日に体内で産生される尿酸はおよそ600mgです。
体内で500mg生成され、100mgは食べ物から取り込まれます。

体内での尿酸が増加し、1dl当たりの血液中の尿酸(尿酸値)が溶解限界の7.0mgを超えると、高尿酸血症の状態となります。
高尿酸血症になると痛風(痛風関節炎)、尿路結石、腎障害などを起こします。

痛風(痛風関節炎、以下痛風)はどのようにしておこるのでしょう?

尿酸は血液中に溶け込んでいます。
しかし量が増えると、溶け切らない過剰な尿酸が結晶化して関節に溜まります。
運動などをきっかけに尿酸塩結晶の一部が関節液中に剝がれ落ちると、それを敵と見なして白血球が集まってきます。
白血球が攻撃を始めた時、炎症を起こす物質がでることで関節炎を起こします。
これが痛みの原因であり、痛風発作が治まって痛みが引いても、関節に尿酸塩結晶がある限り再発する恐れがあります。

痛風になりやすい人は
①お酒や砂糖入り清涼飲料水をよく飲む。プリン体の多い食品をよく食べる
②激しい運動をすることがある
③肥満
④ストレスを抱えている 

 痛風発作の治療 としては

 治療開始の目安は
①痛風発作を起こしたことがある方
②尿酸値が8mg/dl 以上で、腎障害、尿路結石、高血圧症、虚血性心疾患、糖尿病などの合併症のある方
③尿酸値が9mg/dl 以上です。 

 痛風発作が起こった時は、非ステロイド系抗炎症薬、コルヒチン、グルココルチコイドで、疼痛、炎症を抑えます。
完全に疼痛、炎症が治まってから、生活習慣を改善しつつ尿酸降下薬を少量から使い始め、徐々に尿酸値を下げていきます。
この時、尿酸が尿路で結晶化して石になるのを防ぐ尿アルカリ化薬を併用することがあります。 

 尿酸を下げる目標としては、

痛風発作を起こしたことのある人が再発を予防するためには,尿酸値を6.0mg/dL以下に抑える必要があります。
尿酸の血中濃度を下げないと、関節内に溜まった尿酸塩結晶が溶けないからです。
それに対して、痛風未経験者が目標とすべき尿酸値は明確には決まっていません。
しかし,尿酸値が上がるにつれて痛風発症リスクが高まったり、他の合併症にもかかりやすくなります。 

 尿酸降下薬を開始してから痛風関節炎が生じることがあります。治療薬を服用することで、血清尿酸値が低下すると、関節内に沈着している尿酸塩結晶の表面が変化するか、結晶が関節内に剥脱するために痛みが生じます。
尿酸降下薬の副作用というより尿酸降下薬の本来の作用に伴ってみられるもので、尿酸降下薬開始後も急性痛風関節炎は生じることがあります。

 5年間治療を行っていた患者さんが治療薬を中止すると、3年以内に40%の患者で痛風関節炎が再発し、血清尿酸値が高いほど再発時間が短いといわれています。
長期間を見据えた治療が必要です。 

 生活習慣の改善として

①摂取エネルギー(カロリー)を抑えて肥満を解消するだけで尿酸値は下がります。 
 ②アルコール自体に尿酸値を上げる作用があります。プリン体フリービールだからといって飲み過ぎてはいけません。日本酒なら1合、ビールなら500mL、ウイスキーなら60mLまでを目安にしてください。 
 ③尿で尿酸を排泄するため、水やお茶を1日2リットル以上飲むようにしましょう。砂糖を多く含む清涼飲料水は、逆に尿酸値を上げてしまうので飲み過ぎに注意してください。 
 ④ストレスは尿酸値を上昇させる危険因子です。あなたに合った方法でストレスを解消しましょう。 
 ⑤激しい無酸素運動は尿酸値上昇の原因になり得ます。ゆったりとした有酸素運動で肥満やストレスを解消しましょう。  
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