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牡蠣はおいしいけど・・・

牡蠣によるいろいろな症状の原因として

①ノロウイルス:ノロウイルスは、食中毒を引き起こすウイルスです。
ノロウイルスは牡蠣自体が保有しているわけではありません。
下水処理の際に処理しきれなかったノロウイルスが川や海に流れ出て、牡蠣の体内にとどまります。 
ノロウイルスのピークは1月~2月です。牡蠣も同じ時期に旬を迎えるため、牡蠣が原因でノロウイルスを発症する人が多くなっています。
ノロウイルスの場合、アルコール消毒が効きづらく、次亜塩素酸による消毒が必要です。 

 ②貝毒貝毒は牡蠣が作り出しているわけではなく、海水中に生息している有毒なプランクトンを牡蠣が食べることで体内に毒素がたまります。 
そして、毒素(貝毒)が含まれた牡蠣を食べることで、牡蠣にあたるという状況が発生します。 
貝毒で牡蠣にあたりやすい時期はプランクトンの出現時期によってさまざまですが、多くは春から夏にかけてです。 
麻痺性の貝毒が2~4月に、そして下痢性の貝毒が6~8月にピークを迎えるといわれています。
その主な要因は、海水温の上昇によるプランクトンの活性化が影響しているとされています。 

 ③腸炎ビブリオ腸炎ビブリオは魚介類を食べて直接起こる一次汚染や、調理器具を介した二次汚染によって感染します。
牡蠣による感染の場合、食べた牡蠣に腸炎ビブリオが付着していたことで感染します。
腸炎ビブリオが発生する時期は5月~6月から始まり、ピークは7月~9月です。
しかし、直接の原因は加熱処理が足りないことであるため、冬場であっても発生するケースがあります。 

 ○牡蠣による消化器症状の概要と、症状が現れるまでの潜伏期間

①ノロウイルスによる症状 
症状高熱(38度前後)や腹痛、激しい嘔吐や下痢、胃もたれや悪寒などの症状が現れます。
幼児や身体の抵抗力が落ちている人だと、重症化するケースもあります。
症状は一般に1~2日ほど継続します。 
潜伏期間:多くの場合食後、1日~2日で症状が現れます。
遅ければ牡蠣を食べてから2日後あたりに症状が現れることもあります。 

 ②貝毒による症状症状には麻痺性と下痢性の2つがあります。
麻痺性の症状は、唇や顔面、手足のしびれや頭痛、めまいなどです。
下痢性の場合に見られる症状は、下痢や吐き気、嘔吐などです。
症状は一般に3日ほど継続します。 
潜伏期間 :麻痺性の場合、食後30分ほどで唇や顔面にしびれの症状が出始めます。重症だと、思うように身体が動かなくなるケースもあり、なかには12時間以内に呼吸困難に陥るほど重症化することもあります。 
下痢性の場合、食後30分~4時間以内に症状が現れます。 

 ③腸炎ビブリオによる症状激しい下痢(1日に数回~数十回)や腹痛が症状として現れ、血便になることもあります。
そのような症状に加えて、吐き気や嘔吐、発熱が現れるケースもあります。
症状は6時間~24時間ほどで落ち着きます。 ただし、腸炎ビブリオをきっかけで高齢者が低血圧や心電図異常で亡くなったケースが過去にあります。症状が落ち着いていても、念のため医療機関への受診が必要です。
潜伏期間 :食後12時間ほどで症状が現れ、早ければ症状が現れるまで食後2時間~3時間ほどです。

 牡蠣による症状を防ぐには
 ①生食用は避ける牡蠣には生食用と加熱用が分けられて販売されています。
仕組みとして、定期的に行われる水質検査で細菌数の基準を満たした海域で捕獲された牡蠣が生食用とされています。
この海域以外で捕獲された牡蠣は加熱用として販売されています。
しかし、前述の通りノロウイルスの基準は明確に定められておらず、生食用牡蠣でもノロウイルスは一定数含まれていることがあります。加熱用の牡蠣を生で食べることはもちろん避けなければなりませんが、ノロウイルスの感染を避けたい方は生食用牡蠣でも生で食べないことが大切です。

 ②できるだけ加熱して食べる
ウイルスが付着した牡蠣であっても、中心部分を85℃~90℃で1分30秒以上加熱することで、ウイルスによる感染がなくなると言われています。カキフライや牡蠣鍋のように、きちんと加熱調理されている状態であれば感染する可能性が低くなります。
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