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院長ブログ「しなくり日記」

健康のこと、日常のことなどを発信しています。

帯状疱疹と帯状疱疹ワクチン

2023/4/5
帯状疱疹は、水ぼうそうと同じウイルスで起こる皮膚の病気です。 

体の左右どちらかの神経に沿って、痛みを伴う赤い斑点と水ぶくれが多数集まって帯状に生じます。 
症状の多くは上半身に現れ、顔面、特に目の周りにも現れることがあります。

皮膚症状に先行して痛みが生じます。
その後皮膚症状が現れると、ピリピリと刺すような痛みとなり、夜も眠れないほど激しい場合があります。
 多くの場合、皮膚症状が治ると痛みも消えますが、神経の損傷によってその後も痛みが続くことがあり、これは「帯状疱疹後神経痛」と呼ばれ、最も頻度の高い合併症です。 
また、帯状疱疹が現れる部位によって、角膜炎、顔面神経麻痺、難聴などの合併症を引き起こすことがあります。

加齢、疲労、ストレスなどによる免疫力の低下が発症の原因となることがあります。
50歳代から発症率が高くなり、80歳までに約3人に1人が帯状疱疹を発症するといわれています

帯状疱疹は、多くの人が子どものときに感染する水ぼうそうのウイルスが原因で起こります。 
水ぼうそうが治った後も、ウイルスは体内(神経節)に潜伏していて、過労やストレスなどで免疫力が低下すると、ウイルスが再び活性化して、帯状疱疹を発症します。 
発症すると、皮膚の症状だけでなく、神経にも炎症を起こし、痛みが現れます。 
神経の損傷がひどいと、皮膚の症状が治った後も、痛みが続くことがあります。

神経が損傷されることで、皮膚の症状が治った後も痛みが残ることがあり、3か月以上痛みが続くものを帯状疱疹後神経痛と呼びます。 「焼けるような」「締め付けるような」持続性の痛みや、「ズキンズキンとする」痛みが特徴です。 
50歳以上で帯状疱疹を発症した人のうち、約2割が帯状疱疹後神経痛になるといわれています。

帯状疱疹は、加齢や疲労などによる免疫力の低下に伴い、誰でも発症する可能性のある病気です。
帯状疱疹になりにくい体づくりのためには、食事のバランスに気をつける 、睡眠をきちんととるなど、日頃から体調管理を心がけることが大切です。

50歳以上の人は、ワクチンを接種することによって帯状疱疹を予防することができます。

 実は、日本人成人の90%以上は、帯状疱疹の原因となるウイルスが体内に潜伏することによってできる「抗体」を有しています。
これは、多くの人が子どもの時に感染する水ぼうそうが、水痘・帯状疱疹ウイルスの感染によるもので、感染したウイルスは、水ぼうそうが治った後も、症状を出さない状態で体内に潜み続けています。
このように、子どもの時に水痘・帯状疱疹ウイルスに感染した人は、このウイルスに対する免疫を持っていますが、獲得した免疫は年齢とともに弱まり、帯状疱疹を発症してしまうリスクが高くなる傾向があります。
また、一度、帯状疱疹になった人でも、体の免疫力が低下すると再びなる可能性があります。

そのため、ワクチンを接種して免疫の強化を図ろうというのが帯状疱疹の予防接種です。

帯状疱疹ワクチンには2種類あります。
50歳以上は帯状疱疹の発症リスクが高くなる傾向がありますので、ワクチンの接種は帯状疱疹を発症しないための選択肢のひとつになります。
ワクチンは帯状疱疹を完全に防ぐものではありません。
また、接種ができない人、あるいは、注意を必要とする人もいますので、接種にあたってはご相談ください。
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花粉症(アレルギー鼻炎・アレルギー性結膜炎)

2023/2/27

花粉症とは、スギやヒノキなどの植物の花粉が原因となって、くしゃみ・鼻水などのアレルギー症状を起こす病気です。
季節性アレルギー性鼻炎とも呼ばれています。
現在、日本人の約38.8%*がスギ花粉症だといわれています。


花粉症の時、私たちの体の中でなにが起こっているのでしょうか。

私たちの体は、“花粉”という異物(アレルゲン)が侵入するとまず、それを受け入れるかどうかを考えます。

排除すると判断した場合、体はこれと反応する物質をつくる仕組みをもっています。この物質を「IgE抗体」と呼びます。

抗体ができた後、再び花粉が体内に入ると、鼻や目の粘膜にある肥満細胞の表面にある抗体と結合します。
その結果、肥満細胞から化学物質(ヒスタミンなど)が分泌され、花粉をできる限り体外に放り出そうとします。

・・・そのため、くしゃみで吹き飛ばす、鼻水・涙で洗い流す、鼻づまりで中に入れないよう防御するなどの症状が出てくるのです。

・症状

鼻の三大症状(くしゃみ、鼻水、鼻づまり)だけでなく、目の症状(かゆみ、涙、充血など)を伴う場合が多く、その他にのどのかゆみ、皮膚のかゆみ、下痢、熱っぽい感じなどの症状が現れることがあります。
(さらに、シラカンバ、ハンノキ、イネ科花粉症などの人が、ある果物や野菜を食べると、口の中がかゆくなり、腫れたりする「口腔アレルギー症候群」という症状もあります。)

鼻の三大症状
[1] くしゃみ くしゃみは花粉症のほとんどの人が悩まされている症状で、鼻の粘膜についた花粉を除こうとするために生じます。花粉症のくしゃみは連続して起こり、回数も多いのが特徴です。 
[2] 鼻水 くしゃみと同じように鼻水も鼻の粘膜についた花粉を除こうとするために生じます。花粉症の鼻水は、風邪の鼻水のようにねっとりしたものではなく、涙と成分がほとんど同じで、無色で粘り気がなくサラサラしているのが特徴です。
[3] 鼻づまり
鼻の穴から入った空気は下鼻甲介、中鼻甲介の間を通ってのどへと流れていくのですが、花粉症などでこの鼻甲介(特に下鼻甲介)の表面粘膜が腫れると空気が通れなくなり鼻づまりとなります。

目の三大症状 
[1] 目のかゆみ
[2] 充血[
3] 涙が出る

・治療

花粉症などのアレルギーは、症状が悪化すると薬が効きづらくなります。しかし、軽いうちに薬を使いはじめると、花粉の飛散量が多くなった時期でも症状をコントロールしやすく、そのシーズンの症状を軽くすることができます。
そこで、花粉の飛びはじめる前あるいは症状が軽いときから薬の使用をはじめる『初期療法』という治療方法があります。
特に、毎年の症状が中等症以上になる方で、楽にシーズンを乗りきりたいと考えている方におすすめです。 
初期療法の開始時期は、使用する薬の効果が現れるまでの時間と、患者さんの例年の飛散花粉に対する過敏性を考慮して判断します。抗アレルギー点眼薬は花粉飛散予測日の2週間前または症状が少しでも現れた時点で治療を開始します。第2世代抗ヒスタミン薬や抗ロイコトリエン薬は花粉飛散予測日または症状が少しでも現れた時点で治療を開始します。症状が重い場合には鼻噴霧用ステロイド薬(点鼻薬)やロイコトリエン拮抗薬などが併用されます。

アレルゲン免疫療法
アレルゲン免疫療法は、花粉症の原因となっている抗原(スギ)を少しずつ量を増やしながら体内に吸収させることで、抗原に対する反応を弱めていく方法です。
抗原を注射する皮下免疫療法や舌の下の粘膜から抗原を吸収させる舌下免疫療法などがあります。
3年という長い期間の治療が必要となりますが、唯一、アレルギーを治す可能性のある治療法です。

注射
内服薬・点眼薬・アレルゲン免疫療法で、効果がない場合、皮下注射による方法があります。
この治療法は条件が厳しいため、医師にご相談されてください。

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冬の食中毒:カンピロバクター

2023/2/15
細菌性の食中毒は高温・多湿となる梅雨時や夏場に多い傾向がありますが、厚生労働省が発表している近年の「食中毒発生状況」を見ると、カンピロバクターによる食中毒は1年を通して発生しています。 

カンピロバクターはニワトリ、ウシ、ブタ、ヒツジなどの動物の腸内に生息していて、食肉に加工される過程で食用部分が汚染されます。

汚染率が特に高いのが鶏肉です。スーパーなどで市販されている鶏肉を調べると、高い確率でカンピロバクターが付着しているという調査報告が多数あります。
ですので、市販されている鶏肉は、たとえ新鮮な状態であってもカンピロバクターが存在しているものと考えておいた方がいいでしょう。

カンピロバクターは、数百程度の少ない菌量が体に入っただけでも感染すると言われています。
さらに、菌がついた食品を摂取してから食中毒の症状が表れるまでには2~3日、時にはそれ以上かかることがあり、比較的長いという特徴があります。 

かつては、牛肉や豚肉のレバ刺し、鶏のたたきや湯引きなど、肉を生のままや生に近い状態で食べることで、カンピロバクターをはじめとする細菌やウイルスに感染し、食中毒を起こすケースが多く見られました。
その影響で、飲食店では生肉や内臓の提供が規制されたり、一般にも注意が呼びかけられたりするようになりました。 
現在は、生食による食中毒よりも、加熱が不十分な肉によって感染するケースや、生肉を扱ったトングや菜箸を介して感染するケースが増えています。 

肉で特に注意が必要なのがひき肉です。鶏ひき肉を使ったつくねや肉団子、牛ひき肉や豚ひき肉を使ったハンバーグなどは、中までしっかり加熱をしないと感染するリスクがあります。
というのも、カンピロバクターは肉の表面に付着していますが、ひき肉に加工する際に、表面の肉が全体に混ぜられてしまうからです。
ステーキなら表面を焼けば、中はレアでも感染のリスクは低いのですが、ハンバーグなどの場合は全体に菌が入り込んでいる可能性があるので、中が赤く焼け残ったレアの状態では感染のリスクがあるのです。 

焼き肉やバーベキューでは特に気を付けなければいけません。
生肉をつかんだトングや菜箸で焼けた肉を取り分けたり、生肉の隣であぶる程度で食べる野菜を焼いたりすることで、菌が付着して感染することが多いようです。 

感染から2~3日、時にはそれ以上経ってから発熱があり、その後に下痢や腹痛、嘔吐などが起こってくるのが一般的です。

また、発熱に下痢や腹痛もあって食中毒を疑っても、前日あたりに食べたものから原因を探ろうとすると、カンピロバクターに感染しているとは思い至らず、原因不明の胃腸炎とされるケースも少なくありません。1週間以内に汚染が疑われる食品を食べたかどうかといった問診が必要です。 

カンピロバクター腸炎の場合は、ひどい下痢になることもあります。
下痢が続くとつらいものですが、カンピロバクター腸炎は自然に治ることがほとんどです。

下痢が続いて脱水状態に陥ったり、水分が思うようにとれなかったりするときには、受診した方がいいでしょう。

自然に治ることが多いので必ずしも必要ではありませんが、下痢がひどくて脱水を起こしているときや、高齢者や小さなお子さん、免疫にかかわる基礎疾患のある人などは、抗菌薬を使うと回復が早くなったり、重症化を防いだりできます。 

下痢止め薬を使わない方が病原菌が早く排出されやすいと言われることがありますが、全ての下痢で使わない方がいいというわけでもありません。ただ、カンピロバクターのような細菌性の腸炎による下痢の場合は、自己判断で下痢止め薬を飲むと、腸の動きを抑えることで回復が遅くなったり、症状がかえって悪化したりすることがあるので注意が必要です。

下痢が続くことで問題になるのは、水分とミネラルが失われることによる脱水症と電解質異常です。
下痢止め薬よりもまず、こまめに水分を摂取して、経口補水液などで塩分やミネラルもしっかりとることが重要です。

 2~3日から7日程度の潜伏期の後、まず熱が出て、その後に下痢や腹痛、嘔吐などが起こってくる

ほとんどの場合は自然に治りますが、ごくまれに、感染から数週間後に、手足のまひや呼吸困難などを引き起こす「ギラン・バレー症候群」という合併症を発症することがあります。

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牡蠣はおいしいけど・・・

2023/2/15
牡蠣によるいろいろな症状の原因として

①ノロウイルス:ノロウイルスは、食中毒を引き起こすウイルスです。
ノロウイルスは牡蠣自体が保有しているわけではありません。
下水処理の際に処理しきれなかったノロウイルスが川や海に流れ出て、牡蠣の体内にとどまります。 
ノロウイルスのピークは1月~2月です。牡蠣も同じ時期に旬を迎えるため、牡蠣が原因でノロウイルスを発症する人が多くなっています。
ノロウイルスの場合、アルコール消毒が効きづらく、次亜塩素酸による消毒が必要です。 

 ②貝毒貝毒は牡蠣が作り出しているわけではなく、海水中に生息している有毒なプランクトンを牡蠣が食べることで体内に毒素がたまります。 
そして、毒素(貝毒)が含まれた牡蠣を食べることで、牡蠣にあたるという状況が発生します。 
貝毒で牡蠣にあたりやすい時期はプランクトンの出現時期によってさまざまですが、多くは春から夏にかけてです。 
麻痺性の貝毒が2~4月に、そして下痢性の貝毒が6~8月にピークを迎えるといわれています。
その主な要因は、海水温の上昇によるプランクトンの活性化が影響しているとされています。 

 ③腸炎ビブリオ腸炎ビブリオは魚介類を食べて直接起こる一次汚染や、調理器具を介した二次汚染によって感染します。
牡蠣による感染の場合、食べた牡蠣に腸炎ビブリオが付着していたことで感染します。
腸炎ビブリオが発生する時期は5月~6月から始まり、ピークは7月~9月です。
しかし、直接の原因は加熱処理が足りないことであるため、冬場であっても発生するケースがあります。 

 ○牡蠣による消化器症状の概要と、症状が現れるまでの潜伏期間

①ノロウイルスによる症状 
症状高熱(38度前後)や腹痛、激しい嘔吐や下痢、胃もたれや悪寒などの症状が現れます。
幼児や身体の抵抗力が落ちている人だと、重症化するケースもあります。
症状は一般に1~2日ほど継続します。 
潜伏期間:多くの場合食後、1日~2日で症状が現れます。
遅ければ牡蠣を食べてから2日後あたりに症状が現れることもあります。 

 ②貝毒による症状症状には麻痺性と下痢性の2つがあります。
麻痺性の症状は、唇や顔面、手足のしびれや頭痛、めまいなどです。
下痢性の場合に見られる症状は、下痢や吐き気、嘔吐などです。
症状は一般に3日ほど継続します。 
潜伏期間 :麻痺性の場合、食後30分ほどで唇や顔面にしびれの症状が出始めます。重症だと、思うように身体が動かなくなるケースもあり、なかには12時間以内に呼吸困難に陥るほど重症化することもあります。 
下痢性の場合、食後30分~4時間以内に症状が現れます。 

 ③腸炎ビブリオによる症状激しい下痢(1日に数回~数十回)や腹痛が症状として現れ、血便になることもあります。
そのような症状に加えて、吐き気や嘔吐、発熱が現れるケースもあります。
症状は6時間~24時間ほどで落ち着きます。 ただし、腸炎ビブリオをきっかけで高齢者が低血圧や心電図異常で亡くなったケースが過去にあります。症状が落ち着いていても、念のため医療機関への受診が必要です。
潜伏期間 :食後12時間ほどで症状が現れ、早ければ症状が現れるまで食後2時間~3時間ほどです。

 牡蠣による症状を防ぐには
 ①生食用は避ける牡蠣には生食用と加熱用が分けられて販売されています。
仕組みとして、定期的に行われる水質検査で細菌数の基準を満たした海域で捕獲された牡蠣が生食用とされています。
この海域以外で捕獲された牡蠣は加熱用として販売されています。
しかし、前述の通りノロウイルスの基準は明確に定められておらず、生食用牡蠣でもノロウイルスは一定数含まれていることがあります。加熱用の牡蠣を生で食べることはもちろん避けなければなりませんが、ノロウイルスの感染を避けたい方は生食用牡蠣でも生で食べないことが大切です。

 ②できるだけ加熱して食べる
ウイルスが付着した牡蠣であっても、中心部分を85℃~90℃で1分30秒以上加熱することで、ウイルスによる感染がなくなると言われています。カキフライや牡蠣鍋のように、きちんと加熱調理されている状態であれば感染する可能性が低くなります。
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痛風と高尿酸血症

2023/2/7
尿酸とは「プリン体」という物質が体内で分解されてできる燃えカスです。
プリン体は運動したり臓器を動かしたりするためのエネルギー物質で、常に体内で作られています。
私たちの細胞には遺伝情報を伝える役割を持つ核酸という物質がありますが、核酸の構成成分もプリン体です。
古くなった細胞を分解する新陳代謝の過程でこの核酸からプリン体が出てきます。
プリン体は細胞の中にあるものですから、動物・植物いずれの食品からも体内に入ります。
これらのプリン体は主に肝臓で分解され尿酸となり、尿や便として排泄されます。

1日に体内で産生される尿酸はおよそ600mgです。
体内で500mg生成され、100mgは食べ物から取り込まれます。

体内での尿酸が増加し、1dl当たりの血液中の尿酸(尿酸値)が溶解限界の7.0mgを超えると、高尿酸血症の状態となります。
高尿酸血症になると痛風(痛風関節炎)、尿路結石、腎障害などを起こします。

痛風(痛風関節炎、以下痛風)はどのようにしておこるのでしょう?

尿酸は血液中に溶け込んでいます。
しかし量が増えると、溶け切らない過剰な尿酸が結晶化して関節に溜まります。
運動などをきっかけに尿酸塩結晶の一部が関節液中に剝がれ落ちると、それを敵と見なして白血球が集まってきます。
白血球が攻撃を始めた時、炎症を起こす物質がでることで関節炎を起こします。
これが痛みの原因であり、痛風発作が治まって痛みが引いても、関節に尿酸塩結晶がある限り再発する恐れがあります。

痛風になりやすい人は
①お酒や砂糖入り清涼飲料水をよく飲む。プリン体の多い食品をよく食べる
②激しい運動をすることがある
③肥満
④ストレスを抱えている 

 痛風発作の治療 としては

 治療開始の目安は
①痛風発作を起こしたことがある方
②尿酸値が8mg/dl 以上で、腎障害、尿路結石、高血圧症、虚血性心疾患、糖尿病などの合併症のある方
③尿酸値が9mg/dl 以上です。 

 痛風発作が起こった時は、非ステロイド系抗炎症薬、コルヒチン、グルココルチコイドで、疼痛、炎症を抑えます。
完全に疼痛、炎症が治まってから、生活習慣を改善しつつ尿酸降下薬を少量から使い始め、徐々に尿酸値を下げていきます。
この時、尿酸が尿路で結晶化して石になるのを防ぐ尿アルカリ化薬を併用することがあります。 

 尿酸を下げる目標としては、

痛風発作を起こしたことのある人が再発を予防するためには,尿酸値を6.0mg/dL以下に抑える必要があります。
尿酸の血中濃度を下げないと、関節内に溜まった尿酸塩結晶が溶けないからです。
それに対して、痛風未経験者が目標とすべき尿酸値は明確には決まっていません。
しかし,尿酸値が上がるにつれて痛風発症リスクが高まったり、他の合併症にもかかりやすくなります。 

 尿酸降下薬を開始してから痛風関節炎が生じることがあります。治療薬を服用することで、血清尿酸値が低下すると、関節内に沈着している尿酸塩結晶の表面が変化するか、結晶が関節内に剥脱するために痛みが生じます。
尿酸降下薬の副作用というより尿酸降下薬の本来の作用に伴ってみられるもので、尿酸降下薬開始後も急性痛風関節炎は生じることがあります。

 5年間治療を行っていた患者さんが治療薬を中止すると、3年以内に40%の患者で痛風関節炎が再発し、血清尿酸値が高いほど再発時間が短いといわれています。
長期間を見据えた治療が必要です。 

 生活習慣の改善として

①摂取エネルギー(カロリー)を抑えて肥満を解消するだけで尿酸値は下がります。 
 ②アルコール自体に尿酸値を上げる作用があります。プリン体フリービールだからといって飲み過ぎてはいけません。日本酒なら1合、ビールなら500mL、ウイスキーなら60mLまでを目安にしてください。 
 ③尿で尿酸を排泄するため、水やお茶を1日2リットル以上飲むようにしましょう。砂糖を多く含む清涼飲料水は、逆に尿酸値を上げてしまうので飲み過ぎに注意してください。 
 ④ストレスは尿酸値を上昇させる危険因子です。あなたに合った方法でストレスを解消しましょう。 
 ⑤激しい無酸素運動は尿酸値上昇の原因になり得ます。ゆったりとした有酸素運動で肥満やストレスを解消しましょう。  
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