ただし、膀胱には色々な感染防御機構があるため、細菌が膀胱に侵入しただけでは膀胱炎は起こりません。疲労が重なったり、身体が冷えたりして、身体の抵抗力が衰えている時に膀胱に細菌が侵入すると、感染・増殖を防ぐことができずに膀胱炎を起こしてしまいます。
膀胱炎は「女性の5人に1人が生涯に1度は経験する」と言われる病気であり、病人の男女比を見てみますと圧倒的に女性が多いという特徴があります。これには男性と女性の身体構造の違いが深く関係しています。
女性の尿道の長さは約5cmと男性の1/4程度しかないため、尿道についた細菌が容易に膀胱に侵入し、膀胱炎になりやすいのです。さらに、尿道口が膣や肛門のすぐ近くにあるため、排便時などに細菌が尿道に入りやすいという面もあります。
膀胱炎の特徴的な症状として「排尿痛」「頻尿」「尿の濁り」があり、これらは3大症状と言われています。膀胱炎の原因となる細菌を抑えるために、抗菌剤を用いた治療が行われます。多くの場合、抗菌剤を1週間くらい服用すると、細菌は死滅します。
しかし、症状が良くなっても、疲労や冷えなどで身体の抵抗力が落ちていると、すぐに再発してしまう人も少なくありません。