ヘリコバクター・ピロリ菌に感染すると数週間から数ヶ月で100%の人が慢性胃炎になります。その後、慢性胃炎→萎縮性胃炎→分化胃がんへとなる場合や萎縮性胃炎を経ずに直接未分化胃がんへと進む場合があります。
その他、慢性胃炎から胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃MALTリンパ腫、特発性血小板減少性紫斑病へと進むコースもあります。
・培養法:ピロリ菌を培養します。
・迅速ウレア−ゼ法:ピロリ菌のもつウレア−ゼの働きでアンモニアの有無を調べます。
・組織鏡検法:顕微鏡でピロリ菌がいるかどうか調べます。
・尿素呼気試験法:呼気(吐き出した息)を採取して調べる方法です。ピロリ菌がもつウレア−ゼのはたらきで作られる二酸化炭素の量を調べます。
・抗体測定法:尿や血液のピロリ菌に対する抗体の有無を調べる方法です。
・抗原測定法:糞便中のピロリ菌抗原の有無を調べる方法です。
*保険適用でピロリ菌の検査が行えるのは、胃・十二指腸潰瘍、胃MALTリンパ腫、特発性血小板減少症、早期胃がんに対する内視鏡治療、慢性胃炎(萎縮性胃炎)の患者さんです。
ピロリ菌検査で陽性の場合、除菌治療を行います。
2種類の抗生物質と胃酸を抑える薬の3種類のお薬を朝と夕方の1日2回1週間しっかりと服用することで70-80%の患者さんはピロリ菌を除菌できます。
1回目の除菌治療で除菌ができなかった場合、お薬を変えて再度除菌治療を行うことが可能です。
2回目の除菌治療では約90%の患者さんで除菌ができます。
除菌できたかどうかは除菌治療終了後4週間以上あけて検査をすることでわかります。