肥満を防ぐ腸内細菌
ワシントン大学のゴードン氏の研究によると腸内フローラが肥満体質の原因となることが証明されました。
肥満させる細菌がいるのではなく、肥満を防ぐ細菌がいないということでした。
肥満は脂肪細胞と呼ばれる細胞が内部に脂肪の粒を蓄え、肥大化することで起きます。
放っておくと血液中の栄養分を取り込み続け、肥大化していきます。
この脂肪細胞の暴走にブレーキをかけるのが短鎖脂肪酸です。
私たちは食べ物を食べると胃から腸に運びます。
そして腸内細菌が分解して短鎖脂肪酸を作りだします。
短鎖脂肪酸は血液によって全身に運ばれ、脂肪細胞に到達します。
脂肪が短鎖脂肪酸を感知すると細胞は栄養分の取り込みをやめ、暴走が止まるしくみになっており、脂肪が過剰にたまるのを防ぐ働きがあります。
その他、交感神経も短鎖脂肪酸を感知し、全身の代謝が活性化します。
つまり、短鎖脂肪酸は脂肪の蓄積を抑え、消費を増やすという両面から肥満を防ぐ働きがあります。
肥満の人は短鎖脂肪酸を作り出す腸内細菌が少なくなっており、食事をしても短鎖脂肪酸による働きが低下するため、脂肪細胞が肥大化して肥満になっていきます。
肥満フローラをやせフローラにするには、適切な食事をとることです。
バクテロイデスなどの短鎖脂肪酸を作る細菌は食物繊維をえさとして生きています。
つまり、野菜を多く食べることでやせフローラを増やすことになり、ダイエットができることになります。
肥満フローラをやせフローラになる期間ははっきりしませんが、数週間といわれています。