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アルツハイマー病と糖尿病

認知症とは脳の病気や障害など、様々な原因により、認知機能が低下し、日常生活全般に支障が出てくる状態と厚生労働省の定義ではなっています。

認知症にはその原因で大きく3つのタイプがあります。

①長い年月をかけて脳は変性していくアルツハイマー型認知症
②脳梗塞や脳出血などの疾患に付随して生じる血管性認知症
③脳内にレビー小体というタンパク質が蓄積して生じるレビー小体型認知症

なかでも最も多いのがアルツハイマー病型認知症、アルツハイマー病です。

アルツハイマー病の原因として現在わかっていることは、アミロイドβというタンパク質が脳に過剰に蓄積することで神経細胞が減少し、脳が萎縮するとことでアルツハイマー病を発症するとされています。
糖尿病があると動脈硬化が進み、心筋梗塞や脳梗塞など血管性疾患が増えます。
その他、腎症、網膜症、神経障害といった三大合併症を引き起こします。

糖尿病患者はがんの発症率は1.3倍に上昇します。
2型糖尿病患者は非糖尿病患者に比較して1.9倍もアルツハイマー病にかかりやすいという研究発表があります。
別の研究では食後血糖値が高い場合や糖尿病患者はアルツハイマー病にかかりやすいというのがわかっています。

膵臓のβ細胞が分泌されるインスリンというホルモンは血糖を下げる働きがあります。
2型糖尿病ではインスリンの分泌が低下、インスリンの抵抗性ということが起きて、血糖値が上昇します。
インスリン抵抗性があるとインスリンが通常より多く分泌されます。
インスリンが多いとき、インスリン分解酵素が余分なインスリンを分解処理します。この酵素はアミロイドβを分解する働きもあります。
インスリンが多量に存在するとインスリン分解酵素がそちらにたくさん使われ、アミロイドβを分解する働きが低下してしまい、脳にアミロイドβが沈着するようになり、アルツハイマー病のリスクを高めてしまうことになるといわれています。

タンパク質と糖が結びついて生成されるものにAGE(Advanced Glycation End productions) 日本語訳で終末糖化産物があります。
詳細は省きますが、アルツハイマー病の脳内に多量に蓄積していることがわかりました。
すなわち、脳に悪さをするAGEの蓄積を防ぐことはアルツハイマー病のリスクを低下させる一因であると考えられます。

AGEは老化促進物質でタンパク質があるところではどこでも結合して悪さをします。
ブドウ糖が普段から大量にある糖尿病の人はAGEが増えて、体内のいろいろなところで悪さを行います。白内障や皮膚のしみなどもその1つです。
また、アルツハイマー病もAGEが原因のひとつといわれています。
このようなことから、アルツハイマー病のリスクを下げるためには糖尿病のリスクを下げること、糖尿病にならない運動や食事などを行えばいいと考えられます。

参考文献:アルツハイマー病にならない習慣:牧田善二著
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