腸内細菌の組成は生後1年で決まりますが、腸内細菌叢の状態は現在の生活しだいです。 腸内細菌叢はいっぱいに「腸内フローラ」と呼ばれます。「フローラ」とは「花畑」という意味です。腸という土地に様々な種がまかれましたが、それを生かすも殺すも本人次第ということになります。 すなわち、食生活が乱れて、腸の状態が悪ければ、腸内フローラは乱れますし、身体に悪さをする細菌が著明に増えてしまえば、良いことをしてくれる菌が減少してしまいます。 ただし、腸内フローラはひとたび乱れても、宿主が乱れを察知して適正な方法で改善すれば、数日で正しい状態に戻ることができます。 消化のしくみは腸内細菌との共生ありきでできており、消化し栄養素をとり入れるのに腸内細菌は重要な役割をはたしています。 排泄物についても腸内細菌は大きな役割を果たしています。うんこは食べ物のかすではなく、食べかすはうんこの5%に過ぎません。 うんこの60%は水分で、20%が腸内細菌とその死骸、15%が腸粘膜細胞の死骸です。 腸に腐敗物がたまれば、発生した有毒なガスが全身に回ることが避けられません。そうならないよう、腸内細菌はうんことして腸にたまった不要物を一緒に身体の外にだしてくれるのです。
うんこは食べ物のかすではなく、食べかすはうんこの5%に過ぎません。