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院長ブログ「しなくり日記」

健康のこと、日常のことなどを発信しています。

アルツハイマー病と糖尿病

2023/7/1
認知症とは脳の病気や障害など、様々な原因により、認知機能が低下し、日常生活全般に支障が出てくる状態と厚生労働省の定義ではなっています。

認知症にはその原因で大きく3つのタイプがあります。

①長い年月をかけて脳は変性していくアルツハイマー型認知症
②脳梗塞や脳出血などの疾患に付随して生じる血管性認知症
③脳内にレビー小体というタンパク質が蓄積して生じるレビー小体型認知症

なかでも最も多いのがアルツハイマー病型認知症、アルツハイマー病です。

アルツハイマー病の原因として現在わかっていることは、アミロイドβというタンパク質が脳に過剰に蓄積することで神経細胞が減少し、脳が萎縮するとことでアルツハイマー病を発症するとされています。
糖尿病があると動脈硬化が進み、心筋梗塞や脳梗塞など血管性疾患が増えます。
その他、腎症、網膜症、神経障害といった三大合併症を引き起こします。

糖尿病患者はがんの発症率は1.3倍に上昇します。
2型糖尿病患者は非糖尿病患者に比較して1.9倍もアルツハイマー病にかかりやすいという研究発表があります。
別の研究では食後血糖値が高い場合や糖尿病患者はアルツハイマー病にかかりやすいというのがわかっています。

膵臓のβ細胞が分泌されるインスリンというホルモンは血糖を下げる働きがあります。
2型糖尿病ではインスリンの分泌が低下、インスリンの抵抗性ということが起きて、血糖値が上昇します。
インスリン抵抗性があるとインスリンが通常より多く分泌されます。
インスリンが多いとき、インスリン分解酵素が余分なインスリンを分解処理します。この酵素はアミロイドβを分解する働きもあります。
インスリンが多量に存在するとインスリン分解酵素がそちらにたくさん使われ、アミロイドβを分解する働きが低下してしまい、脳にアミロイドβが沈着するようになり、アルツハイマー病のリスクを高めてしまうことになるといわれています。

タンパク質と糖が結びついて生成されるものにAGE(Advanced Glycation End productions) 日本語訳で終末糖化産物があります。
詳細は省きますが、アルツハイマー病の脳内に多量に蓄積していることがわかりました。
すなわち、脳に悪さをするAGEの蓄積を防ぐことはアルツハイマー病のリスクを低下させる一因であると考えられます。

AGEは老化促進物質でタンパク質があるところではどこでも結合して悪さをします。
ブドウ糖が普段から大量にある糖尿病の人はAGEが増えて、体内のいろいろなところで悪さを行います。白内障や皮膚のしみなどもその1つです。
また、アルツハイマー病もAGEが原因のひとつといわれています。
このようなことから、アルツハイマー病のリスクを下げるためには糖尿病のリスクを下げること、糖尿病にならない運動や食事などを行えばいいと考えられます。

参考文献:アルツハイマー病にならない習慣:牧田善二著
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アニサキスによる食中毒を予防しましょう

2023/6/21
先日、胃カメラをすると胃の中にアニサキスという寄生虫(線虫)の一種がいました。 

その幼虫(アニサキス幼虫)は、長さ2~3cm、幅は0.5~1mmくらいで、白色の少し太い糸のように見えます。

 アニサキス幼虫は、サバ、アジ、サンマ、カツオ、イワシ、サケ、イカなどの魚介類に寄生します。

 アニサキス幼虫は、寄生している魚介類が死亡し、時間が経過すると内臓から筋肉に移動することが知られています。

急性胃アニサキス症は食後数時間後から十数時間後に、みぞおちの激しい痛み、悪心、嘔吐を生じます。

魚を購入する際は、新鮮な魚を選びましょう。
また、丸ごと1匹で購入した際は、速やかに内臓を取り除いてください。 

 内臓を生で食べないでください。

目視で確認して、アニサキス幼虫を除去してください。 

 ※ 一般的な料理で使う食酢での処理、塩漬け、醤油やわさびを付けても、アニサキス幼虫は死滅しません。 

無事、アニサキスを取り出すことができました。
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鳥栖市の糖尿病患者の増加について

2023/6/19
鳥栖市の発表によると、鳥栖市はHbA1c 6.5%以上が特定健診を受けた人の14%です。
佐賀県が13%で全国1位ですから、それをうわまっています。
HbA1c8%以上になると2%で、佐賀県1.74%で全国2位ですから、こちらもうわまっています。
目安としてHbA1c6,5%以上が糖尿病と診断されますので、(正確には、血糖など他の要素と併せて診断されます。)HbA1cを測定したことがない方は測定されてはいかがでしょうか?

*糖尿病の検査や治療でよく使われる検査にHbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー)があります。 
HbA1cとは、赤血球中のヘモグロビンという色素のうち、どれくらいの割合が糖と結合しているかを示す検査値です。 
普段から血糖値が高い人はHbA1c値が高くなり 血糖値が低い人はHbA1c値が低くなります。 
HbA1cは過去1-2ヶ月の血糖値の平均を反映しているため、血糖コントロール状態の目安となります。  
食前の血糖値が正常でも、食後血糖が高いとHbA1cが高くなります。
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麻疹(はしか)について

2023/5/17
東京都内の男女2人が麻疹(はしか)に感染していることが確認されたと、5月12日に都が発表しました。
都内で感染が確認されたのは3年前の2020年以来です。

厚生労働省や都によると、麻疹は空気感染などで広がる、感染力がきわめて強い感染症で、免疫を持っていない人が感染するとほぼ100%発症するとされています。 麻疹は感染力が極めて強く、手洗いやマスクなどでは防ぎきることができません。

感染するとおよそ10日後に発熱や咳、鼻水といった風邪のような症状が現れ、2~3日熱が続いたあと、39℃以上の高熱と発疹が出ます。

合併症として肺炎や脳炎などを引き起こし、重症化すると死亡することもあります。

2回のワクチン接種歴がある場合は、高い確率で感染を防ぐことが可能です。
万一発症した場合でも、症状は軽く済み、また他の人への感染力も弱いことが知られています。

麻疹の抗体価を測定し、基準を満たしていない場合はワクチンの接種をお勧めします。
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LOH症候群(late-onset hypogonadism加齢男性性腺機能低下症候群))

2023/5/11
現在、男性の更年期障害はLOH症候群(late-onset hypogonadism=加齢男性性腺機能低下症候群)と呼ばれ、病気として位置づけられています。 

男性の更年期症状は、男性ホルモンの1つ、「テストステロン」の分泌量が低下することによって起こります。 

テストステロンは筋肉や骨の維持、精子の発育や肝機能、認知機能にも関与する非常に重要なホルモンで、テストステロンが下がると実にさまざまな症状が、身体面だけでなく精神面にも現れるようになります。 

 • 身体症状
 筋力低下、筋肉痛、疲労感、倦怠感、ほてり、のぼせ、発汗、頭痛、めまい、頻尿、性機能の低下、朝立ち(早朝勃起)の消失 

• 精神症状 
健康感の減少、イライラ、不安、抑うつ、不眠、集中力・記憶力低下、性欲の減少 

 男性の更年期症状を起こす一番の原因は、加齢によって男性ホルモンのテストステロンが減ることですが、ストレスや生活習慣の乱れによる影響もあります。 

男性の更年期症状であるLOH症候群が疑われる場合、問診や採血によって血液中のテストステロンを測り、総合的に診断します。 

男性の更年期症状はストレスの原因がなくなるだけで回復することが少なくありません。
ちょっとしたストレスで落ち込むこともあれば、ちょっとしたストレス解消で上向きになることもあります。
そのため、生活改善のアドバイスを行いながら、テストステロンを補充する薬物療法(テストステロン補充療法)も交えて治療を進めていきます。 

ライフスタイル改善とは具体的には食事と運動があります。 

 テストステロン値が低い人に積極的に摂取してほしい栄養素として、亜鉛とビタミンDを挙げられます。 

亜鉛はカキやアサリ、シジミのような貝類や、カニなどの甲殻類に豊富に含まれています。 

亜鉛と並び、積極的にとりたい栄養素がビタミンDです。
ビタミンDは日光(紫外線)を浴びることで体内でも合成され、骨の形成に必須の栄養素です。鮭やウナギ、きのこ類、鮭などに多く含まれます。 

含流アミノ酸(硫黄を含むアミノ酸の総称で、人体に有害な物質を排出する作用を持つ)を多く含むタマネギやニンニク、抗酸化作用のあるビタミンEが豊富なナッツなどの種実類、ブロッコリーなどの野菜にもテストステロンを上げる作用があります。 

運動についても、テストステロンを上げる効果が証明されています。テストステロンは主に精巣で作られるが、筋肉でも産生されます。
そのため運動によって筋肉を刺激するのは、更年期対策になります。 

運動や食事以外にテストステロン補充療法があります。 

テストステロン補充療法の効果は、更年期症状を改善するだけではなく、体脂肪の減少、筋肉量の増加、基礎代謝が上がるなどの効果があります。 

テストステロン補充療法の副作用で前立腺がんを発症することは証明されていませんが、前立腺がんがある人がこの治療を受けるとがんが増大する可能性がありますので、治療前に血液検査(腫瘍マーカーのPSA検査)など前立腺がんのリスクを調べる必要があります。

また、テストステロン補充療法が不妊の原因となる恐れがあり、妊活中の男性は治療が受けられません。 
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